しっかり鍛えたい!中学受験で重要な思考力とは?
人生のあらゆる場面において、思考力というのはとても大切です。目の前の状況や自分の置かれた立場などを意識しつつ、最適な答えを選択するためには、「自ら考える力」は必要不可欠だと言えます。そして、それは中学受験においても重要なものです。思考力を高めることができれば、受験での得点アップにつながる可能性もあるでしょう。今回は、中学受験における思考力の重要性と、養うための方法について紹介します。
難関校ほど思考力が必要?
中学受験でも思考力を問われる問題が特に多いと言われているのが、「難関校」と呼ばれる学校です。偏差値の高い中学校ほど、受験問題でも思考力が必要な問題を多く出題する傾向があります。しかし、希望する学校の偏差値に関わらず、中学受験には思考力は重要です。思考力というのは、単純な「頭の良さ」だけで表せるものではありません。そこには、「思考し続ける忍耐力」が含まれるからです。難しい問題を前にしても途中で投げ出さず、最後まで考え抜く力がなければ、せっかく身に付けた学力も活かすのが難しいでしょう。
また、受験において問われる思考力には、「その場で考えて答えを出す」という問題もあります。受験前の学習でたくさんの問題を解いたり、演習を繰り返したりするだけでは答えられない設問も少なくないのです。「見たことがない問題だから分からない」とすぐ諦めてしまわないためにも、「どうやって考えようか」「応用できる問題はなかったか」と考えられるようになる必要があります。
思考力を高める方法1:理解できるまで取り組む
思考力を育てるために大切なことは、「答えが分からなくても諦めない」ということです。中学の入試試験で解かなければいけない問題は、普段の学習で向き合うものよりも難しいものが多いでしょう。複雑な問題を前にすれば、どんな人も弱気な感情が湧き上がるはずです。しかし、そこで投げ出してしまえば決して問題は解けません。だからこそ、答えがなかなか見つからない問題に対して、根気を持って向き合う力が必要になります。簡単には解けない設問でも、「こういうふうに考えたらどうだろう」「こっちの公式が使えるかも」と自ら考え続けることが重要です。
そのためには、周りがすぐに答えを教えてはいけません。周囲の大人に尋ねて、簡単に答えをもらえてしまうと、難しい問題に取り組む意欲自体が成長しないからです。本人が「すぐに答えを聞こうとしないこと」だけではなく、悩んでいる子どもに対して「簡単に答えを教えないこと」も欠かせません。子どもが頭を抱える姿を目にすると、どうしても助けてあげたくなるかもしれませんが、思考力を養うためには「悩む時間」が必要なのです。
思考力を高める方法2:説明してもらう
思考力を身に付ける方法として、「自分の考えを説明する」があります。問題を前にして、自ら考えることは重要です。しかし、本人が頭で考えていることは、周りの人にはわかりません。「きちんと思考力が身に付いているのか」を確認するためには、言葉で説明するとよいでしょう。自分の考えをほかの人に説明するためには、本人がしっかりと理解している必要があるからです。自分がどのように考え、どうやって答えにたどり着いたのかを順序立てて説明することができれば、しっかりと思考力が育っているという証でしょう。逆に、うまく説明できない場合には、考えをまとめることができていないということになります。その場合も、すぐに答えを教えてはいけません。助けを出したいときには、「その後はどうなるの」といった形でやさしく問いかけてあげると良いでしょう。
思考力を高める方法3:五感を使った経験をさせる
考える力というのは、基本的に問題を頭の中で整理する力です。しかし、その背景には本人が見てきたものや感じてきたものがあります。「経験」こそ、思考力の基礎になるものです。そのため、思考力を養うには、ただ机に向き合っていれば良いというものではありません。例えば、生き物に関する知識を本で覚えるよりも、実際に動物と触れ合うほうが記憶に残るでしょう。視覚や聴覚、触覚といった五感を通した体験は大きな刺激になります。ただし、単純に体験するだけでは思い出になるだけです。体験の中で感じたことや考えたことを文章として書くようにすると、より思考力を高めることができるでしょう。
また、人との会話というのも思考力を鍛える経験になります。不思議に思ったことや疑問に感じたことについて、素直に質問するというのは思考力の育成につながるでしょう。ただ、質問されたほうも「自分ではどう思うの」と聞き返すなど、しっかりとしたコミュニケーションを取る必要があります。すぐに答えを教えたり適当に受け流したりしていては、子どもの思考力を高める機会を逃してしまうので注意しましょう。
思考力は工夫次第で高められる!
思考力を育てるには、幼少期からの体験・学習が大切だと言われています。しかし、小学生でも工夫次第で思考力を高めることは可能です。中学受験だけではなく、進学後の学習においても思考力は大きな意味を持ちます。受験を良いきっかけだと捉え、改めて思考力を養うことを意識した学習を進めていくことをおすすめします。