高校の志望理由はどう書いたらいい?5つのコツとケース別例文を紹介
志望理由書は、推薦入試を受ける際に必ず書くこととなる書類です。
推薦入試では学力試験を課していない学校も多いので、この志望理由書で好印象を持ってもらうことが合格への近道となります。
志望理由書で好印象を得るためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
そこで、この記事では、志望理由書の書き方のコツを例文を交えて紹介します。
1.志望理由書を書く準備1:志望校の情報を収集しよう
どのような志望理由でも、志望校のこと、そしてその先の進みたい分野のことをきちんと理解していなくては表面上の言葉にしかなりません。
自分で調べ、考え、自分の心で感じたことを自分の言葉で書くことが志望理由の書き方の基本です。
文章力よりも、既存の情報の流用ではない、自分で考えて書いた文章であるという点が評価されます。
志望校を調べるうえで一番の参考資料となるものは、その高校が出している資料やパンフレットです。
資料を出している学校であれば、ぜひ手に入れておきましょう。
特に見るべきところは、その高校の教育理念、教育方針、力を入れている部活動、独自のカリキュラムや学校行事、主な進路先などです。
これらの要素が、その高校にしかない特色を生み出しています。
高校見学に行ったり文化祭などの行事に参加したりして、生徒や先生の様子、校風などを直接肌で感じることができればベストです。
2.志望理由書を書く準備2:自分のことを改めて知る
志望理由書とは、自分と志望校を結びつけるためのものです。
志望校のことを調べたのであれば、自分のことも見つめ直し、性格や特徴を理解しておく必要があります。
自分の好きなものや得意なもの、あるいは苦手なもの、長所と短所などを把握しておきしましょう。
これらの基本情報と、中学で一番頑張ったこと、興味があるものなどから中学生である現在の自分が見えてきます。
「現在の中学生の自分」と将来行きたい大学や就きたい職業など「こうありたい未来の自分」のイメージをつなげる、想像した自分を現実に作り上げるにふさわしい場所が志望校なのです。
このように、自分のことを見つめ直せば、考えも自然とまとまります。
このときにポイントとなるのは、悪いところよりも良いところや好きなものを優先して多く探すということです。
また、わからないことやまだ決まっていないことはそのままで構いません。
無理に背伸びをしていない、そのままの自分を掴みましょう。
3.志望理由書を書くときの5つのポイント
以上のことに取り組み、準備ができたら、いよいよ志望理由を書いてみましょう。
考えたものを実際の文章に組み立てる際は、これから挙げる5つのポイントを意識すると、より思いが伝わりやすい志望理由書となります。
3-1.嘘は書かない
絶対に受かりたい、いい印象を持ってほしいという気持ちが強く出すぎてしまうと、つい思ってもいないことやする気もないことを書いてしまうのが人間というものです。
嘘では実感が伴わないため、説明が表面的となり、結果として説得力や魅力のない志望理由書になってしまいます。
悪く受け取られてしまうような本音しかない場合、嘘の内容を書いてしまうことが多いです。
しかし、その本音も自分の考えであることは事実です。
正直に言いつつ表現を変えてカバーすれば、そのような本音も好印象につながる「自分の考えを盛り込んでいる文章」に変えることができます。
例えば、進路希望が決まっていない場合であれば、「まだ進路希望は決まってないが、文系が得意なので得意分野を伸ばしながら、自分のやりたいことを1年生のうちに見つけたい」などのように変換するのが良いでしょう。
3-2.志望理由は1つか2つに絞る
志望理由書の文字数は限られているため、いくつも理由を挙げると1つ1つの説明が浅くなってしまいます。
理由を絞り、それについての説明を自分の言葉でつづるほうが、熱意や説得力が増した志望理由書となります。
志望理由がたくさんある中でやむを得ず1つや2つに絞ったのであれば、「志望理由はたくさんありますが、その中で最も大きな理由は~」と書けば、他の理由があることもアピールできるでしょう。
3-3.文章は長すぎず短すぎずまとめる
志望校から指定があるときにはそれに従うことが前提となります。
そうでない場合は、志望理由書のスペースに読みやすい余白ができる程度の文章量で書くことがポイントです。
チェックする志望校の先生方も人間なので、読みやすさや文章量など文章の中身以外の点も、志望理由書の印象に大きく関わります。
いくら熱意を込めても、細かい字でびっしりと書かれた志望理由書はおすすめしません。
読む気が失せてしまうだけでなく、文章をまとめる能力もないとされ、良い印象を抱かなくなります。
かといって、余白が半分以上余っているのに終わらせてしまうのも考えものです。
十分な説明ができていない可能性が高く、やる気も疑われてしまいます。全体から見て9割を少し超える程度が目安です。
3-4.具体的な自分ならではのエピソードを入れること
志望理由書だけでなく多くの場面で使われている、文章力を上げるテクニックの1つが具体例を交えて描くことです。
具体的なエピソードを交えることで、ただ「こう思う」「これが好き」という漠然とした書き方よりも印象に残る、気持ちが伝わりやすい文章となります。
例えば、「貴校の魅力は自由な校風だ」ということを伝えたいのであれば、「貴校の文化祭で見た模擬店はSNSと連動したキャンペーンを行っていて、生徒主体の意見を尊重する自由な校風をよく表している」などとしてみましょう。
このように、実感や実体験を入れると説得力を上げることができます。
3-5.志望校にしかない特色を入れる
志望校にしかない特色は、ほかの高校ではだめだという理由の根拠としてとても有効です。
志望校が力を入れていることやセールスポイントを理解し、それを志望理由に絡めるとよいでしょう。
例えば、「大学に行きたいので進学率の良い貴校を選んだ」と書きたいときは、その高校が進学率アップのために取り組んでいる独自のカリキュラムなどを盛り込み、「貴校は独自カリキュラムを導入していて、難関校への進学率が非常に高いこともあり、貴校に進学してこのカリキュラムのもと学習すれば進路に近づく」などとしてみてください。
自分の希望を絡めて志望理由にすれば、志望校のセールスポイントを理解したうえで志望しているという証拠となります。
4.志望理由書の具体的な例文
ここからは、以上を踏まえた具体的な例文4つを紹介します。
ただし、以下はあくまでも参考とするようにしてください。
志望理由書で一番大切なことは、自分の考えを自分の言葉で書くことです。
4-1.最も書きやすい志望理由書の書き出し例
書き出しは、志望理由書全体を左右するため、全体の構成を考える中でもとても難しいものです。
ここでは、もっともシンプルかつどのような理由でも使える書き出しの例を紹介します。
志望する理由が2つある場合は、まず「理由が2つ」という点を述べ、順序立てて書いていきます。
例)
「私が〇〇高校を志望する理由は2つあります。
1つ目は、進学率が高いという点です。
2つ目は、校訓の「質実剛健」を体現した生徒の姿に感銘を受けたことです。
以上2つの理由から、先輩方のようにまっすぐ努力する人間となるため、貴校への進学を志願しました。」
理由が1つしかない場合は、志望した理由から書き出します。
例)
「私が〇〇高校を志望する理由は、貴校の規律ある校風が、私の目指す進路を実現するために必要だと感じたためです。」
いずれの場合も、理由についてはそれぞれ具体的なエピソードを添えると効果的です。
4-2.学校見学をしたときの印象を志望理由にする場合
例)
「私が〇〇高校を志望する理由は、将来世界で活躍する人間となるためです。
そう考えるきっかけとなったのは、貴校の学校見学をした際に親切な生徒たちと出会ったことです。
生徒はみな、気さくに笑顔で挨拶をしたり、優しく話しかけたりしてくれました。
友人とはぐれ不安だった私はとても勇気づけられ、同時に貴校の教育目標の1つである「フレンドシップ」を実感しました。
私も、このときの恩を忘れず、誰とでも広く友情と信頼を築ける高校生となるため、貴校への進学を志願します。」
4-3.部活動を志望理由にする場合
自分が頑張ってきたことを志望理由にする場合は、その実績をまず書き出すことが効果的です。
以下は、部活動を理由とした例文です。
例)
「私は、中学でバレーボール部の活動を3年間続けたことを誇りとしています。
練習には欠かさず参加し、3年生では念願のレギュラーに選ばれました。
3年間部活動を通したことで、物事を着実に積み重ねることの大切さを学びました。
高校に入ってもバレーボールを続けていき、インターハイ出場を目標としています。
〇〇高校は県内でも有数のバレーボール強豪校で、中学時代からの憧れでした。
また、部活体験に参加した際もみな熱心で、特に後輩を的確にサポートする先輩の姿から、確かな実力と部員全員が互いに信頼していることを実感しました。ぜひ貴校でバレーボールを続けていきたいです。」
4-4.進路希望を志望理由にする場合
例)
「〇〇高校を志望する理由は、各業界で活躍する卒業生を多く輩出する優秀な商業高校であるためです。
両親は大学進学を勧めていますが、私は専門学校へ進学し、確かな技術を身に付けて社会に出たいと考えています。
そのため、貴校で商業について勉強し、専門学校についての情報を集め、自分が身に付けたい技術が学べる専門学校へ進学します。
貴校は大学だけでなく専門学校への進学も多く、ほかの学校よりも情報が豊富でサポートも手厚いことが特徴です。
より実務的な勉強をするため、貴校への進学を志願します。」
5.清書をする前に第三者にチェックしてもらおう
出来上がった志望理由は、入試に詳しい第三者にチェックしてもらうことでより質の高いものとなります。
最近の志望理由書の傾向に詳しい、塾の先生などがおすすめです。
多くの受験生の悩みを聞いているので、的確なアドバイスをしてくれます。
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6.書き方で悩んだらプロに相談しよう
志望理由書を書く際は、自分で体験した具体的なエピソードと志望する高校の特徴やセールスポイントを結び付け、自分にしか書けない理由とすることが大切です。
例文を参考にしながら、自分なりの理由を盛り込んでシンプルにまとめてみましょう。
書き方で悩んだら、最近の志望理由書の傾向に詳しい、学校や塾の先生などにチェックしてもらうとより効果的です。
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