作文は書き出しで決まるって本当?おすすめの書き出しパターン紹介
国語の授業で作文の宿題が出されることは少なくありません。
作文は自己表現ができる大事な機会ですが、テーマが決まっても書き出しが思い浮かばずに悩む人もいるのではないでしょうか。
その結果、作文に苦手意識を持つことになりかねません。
そうならないためには、書き出しのポイントを知ることが大切です。
この記事では、作文の書き出しを考えるポイントや、書き出しのパターンについて紹介していきます。
1.作文で書き出しは大事なの?
小中学校の国語の授業で作文が取り上げられる機会が多いため、苦手意識を持っていると気持ちが重くなりがちです。
しかし、書き方のコツを掴むことで、上手に自己表現ができるようになります。
特に作文は書き出しが大切です。
読む人が作文全体の印象を決める重要な要素と言えるでしょう。
作文の構成を3つに分けた場合、「始め」「なか」「終わり」になります。
つまり「書き出し=始め」だと捉えられます。
上手な作文をつくるには、第三者の興味を持つ文章を書くことが大切です。
せっかく苦労して書き上げたのに、読んでもらえないのでは意味がありません。
面白い書き出しかどうかを確かめるためには、読者目線に立つのもよいでしょう。
自分が本を選ぶときの方法を参考にすると、面白い書き出しがイメージしやすいのではないでしょうか。
2.作文の書き出しを考えるポイント
自分が作った文章に興味を持ってもらい、最後まで読んでもらうためには「書き出し」が重要なことを説明しました。
それでは、書き出しはどのように工夫すればよいのでしょうか。ここでは「作文の書き出しを考えるポイント」3つについて紹介します。
2-1.読む人にもっと読みたいと思わせる
小中学生は、学校行事で文章を書く機会が多いでしょう。
校外学習後の感想文などは代表的な事例です。
その場合、行き先を文章内に入れるのは言うまでもありません。
しかし、「学校の校外学習で○○動物園に行きました」と書き始めるのは、当たり前すぎて面白みがなくなってしまいます。
書き出しを読んだだけで、どのような内容なのか想像できてしまうため、読み手の興味が薄らいでしまいます。
また、書いた内容をアピールするには物足りないと考えましょう。
文章を書くときは、そのときに経験したワンシーンを取り上げる方法があります。
例えば、動物園を訪れた感想文を「『最初はゾウを見に行くよ!』先生は大きな声で僕たちに呼びかけた」と書き始めるとどうでしょうか。
この一文に触れた人は「おやっ?」「なんだろう?」と、その作文への興味が増すかもしれません。
また、その続きが知りたくて、どんどん読み進めたくなるでしょう。
このように、文章を書くときは「読む人にもっと読みたいと思わせること」が大事なポイントになります。
2-2.読む人に雰囲気を伝える
読書をするときは、活字から書かれた内容をイメージすることが大切です。
書き出しの文章が無機質だとイメージがわきにくく、読む気が失せてしまいます。
挿絵が使われる本もありますが、挿絵ですべての内容をカバーできるとは限りません。
やはり、読む人が想像力を膨らませられるかどうかが大きな鍵となります。
これは、自分で文章を書くときにも通じる話ではないでしょうか。
自分が経験したことを書くときは、人との会話、そのとき感じた音や情景などを書き出しに使うと、雰囲気が伝わりやすくなります。
先述の「『最初はゾウを見に行くよ!』先生は大きな声で僕たちに呼びかけた」で考えてみましょう。
先生が大声で呼びかけることで、生徒がゾウに興味を持つことにもつながります。
また、先生の呼びかけに襟を正す生徒もいるでしょう。
ただし、表現方法には工夫が必要です。自分が味わった「楽しい感じ」や「緊張した感じ」をそのまま文章にすると、長くなりすぎることや、うまく書けない場合もあります。
そのようなときは、会話や音で表現すれば、その場の雰囲気がストレートに伝わりやすくなります。
文章を書くときは「読む人に雰囲気を伝えること」を意識しましょう。
2-3.読む人に自分の気持ちを伝える
作文のなかには、読書感想文のように自分の意見を伝えるものもあります。
その場合、自分が感じた気持ちを書き出しに使うことで、読む人の興味を引くことにもつながります。
「好き」「嫌い」はもちろん「悲しい」「怖い」など、感情には様々なものがあり、それを経験する場面もまた様々です。
文章を書くときは、自分の感情をストレートに表現することで、その理由や出来事を書きやすくなります。
例えば、その本を読んでいるときに涙ぐんできたならば「このシーンを読みだした途端に、涙が止まらなくなりました」と素直に表現するとよいでしょう。
このように「読む人に自分の気持ちを伝えること」が作文の書き出しを考えるポイントにもなります。
読書感想文で「あらすじ」だけを書く人がいますが、このような方法はよくありません。
自分が感じた部分を取り上げたうえで、あらすじは補足として使うようにしましょう。
それ以前に、対象となる本をしっかり読み込むことから始める必要があります。
3.おすすめ作文の書き出しパターン8選
ここまでは書き出しを工夫することの重要性を述べてきましたが、そのためには、効果的な書き出し方を知っておく必要があります。
そこでここからは「おすすめ作文の書き出しパターン8選」と題して、それぞれについて説明していきます。
3-1.会話文から入る
まず、おすすめしたいのは「会話文から入る方法」です。
会話文を書き出しに使うことで、その場面の様子や雰囲気をストレートに伝えやすくなります。
楽しさやドキドキした気持ちを伝えるときには最適です。
自分が発したセリフだけでなく、自分の周囲にいる友人などのセリフも対象にするとよいでしょう。
(例)
「家に帰ってから公園に行こうよ!」
学校からの帰り道、友人の○○さんが声をかけてきた。
この会話には「!」が入っています。
そのため「家に帰ってから公園に行かない?」などの表現よりも、セリフを発した人の積極的な気持ちが感じられます。
3-2.音から入る
書き出しには「音から入る方法」もあります。
音には、身近な生活音から非日常な音まで様々な種類があるため、その場の様子をよりリアルに伝えやすくなります。
また、その後に続く文章への期待度を高めることにもつながるでしょう。
(例)
パリーン! 台所から何かが割れる音が聞こえてきた。
今日はお母さんが出かけていて、台所には誰もいないはずなのに、何の音だろう。
「パリーン!」という強い音、音の正体がわからないこと、さらに、誰もいないはずの場所であるため、不安になる気持ちの大きさがわかり、続きが気になってきます。
3-3.自分の意見から入る
「自分の意見から入る方法」を使うことで、作文を目にした人に自分の気持ちをストレートに伝えることができます。
また、「書き出し」から「理由の説明」という流れができるため、読んでいる人も内容が理解しやすくなります。
(例)
私は絵を描くことが大好きです。
そのため、休み時間はいつもノートに絵を描いて過ごしています。
自分の趣味を公表することで、自分のアピールにも一役買います。
また、趣味のために学校の休み時間を有効活用している様子も伝わりやすくなるでしょう。
3-4.情景から入る
文章の書き出しが、ありきたりにならない工夫として「情景から入る」方法があります。
主に小説でよく使われるパターンで、読み手の感情に働きかけることができ、読み手の興味を引くことができます。
(例)
それは、ある日の夕暮れのことでした。
短い文ですが、遠くの空が赤みがかっている中、辺りは薄暗くなってきている情景を読み手は想像することができます。
このように読み手に情景を想像させることができれば、その後の展開に興味を惹きつけやすくなります。
3-5.動作から入る
作文の書き出しには「動作から入る方法」を取り入れてもよいでしょう。
場面の説明だけでなく、誰が何をしているのかがわかりやすくなります。
自分が起こした動作を取り入れるのは典型的な事例です。
(例)
スタートラインで、私は思いっきり左手を後ろに伸ばして、赤組のバトンを受け取った。
スタートラインでの動作を表現することで、リレー選手としての頑張りを伝えることができます。
また、自分以外の動作、動物の動きなども書き出しに使うことが可能です。
例えば、子犬が体に触れた場面などでは、体に触れたときの感じから書き出していくと、その正体を説明するためにも役立ちます。
3-6.テーマと反対のことから入る
文章を書くときは、テーマの主旨に従うことが大切なのは言うまでもないでしょう。
しかし、あえて「テーマとは反対のことから入る」のも効果的です。
そうすることで、読み手が「なぜ?」という疑問を抱くことにもつながるからです。
ただし、あまりにも突拍子もない書き出しを使うのはよくありません。テーマから大きく逸脱してしまい、テーマにたどり着けない可能性も考えておきましょう。
(例)
私は本を読むことが苦手でした。
なぜなら、小さい頃は文字を読むことが好きじゃなかったからです。
でも、今では本が大好きになりました。
これは、登場人物の意外性を紹介するために役立ちます。また、これを目にした人の励みになるかもしれません。
3-7.気付いたことや発見したことから入る
作文の書き出しに「気付いたことや発見したことから入る方法」もあります。
読書感想文は典型的な事例です。
ある本と出会い、それを読むことで新たな発見や気付きができます。
また、自分がどのように変わったのか、今後どうしたいのかを書いていくと、説得力のある内容に仕上がるでしょう。
(例)
この本を読んで、私は○○について今まで誤解していたことに気付きました。
その本との出会いによって、これまでの誤解が解決できた様子が伺えます。
自分の素直な気持ちを表現しているため、共感する人も少なくないでしょう。
3-8.物語のように入る
作文を書くときは「物語のように入る」のも1つです。
読む人をワクワクさせるだけでなく、ドラマチックで感動的な内容にできるかもしれません。
そのときの天候から書き始める方法は身近なため取り入れやすいでしょう。
(例)
それは大雨が降る日のことでした。
短い一文ですが、そのときの背景が思い浮かびます。
また、大雨という普段とは異なるシーンのため、話の展開に興味を持たせることにもつながります。
書き出しを工夫して作文に得意になろう
作文の書き出しは、読む人に最後まで読んでもらうためには欠かせない、大事な要素になります。
書き出しパターンには色々あるため、書く内容に合わせて選ぶことが大切です。
もっと読みたいと思わせるには、書き出しを工夫することが欠かせません。そのためには、読者目線に立って考えることも大事なポイントです。
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