中学生の勉強時間ってどれくらい?継続的に勉強をする方法を解説
中学生になると学習内容も難しくなり、それに伴い机に向かう時間も長くなります。受験が近くなると、周りの人はどのぐらい勉強をしているのか気になるところではないでしょうか。そこで今回は、中学生の平均的な勉強時間を紹介します。また、継続して勉強をする習慣を作るためにはどのようにすればよいのか、勉強体質を作り上げるためのポイントを解説していきます。
1.中学生の平均的な勉強時間は?
中学生は1年間で、いったい、どのぐらい勉強しているのでしょうか。また、高校受験のシーズンに入ると、勉強をする時間はどのぐらい増えるのでしょうか。次の段落から、中学生の平均的な勉強時間と高校受験シーズンの勉強時間を紹介していきます。
1-1. 中学生の平均的な勉強時間とは?
中学生にもなると、学校だけでなく家庭や塾などでも机に向かう時間が増えます。2015年にベネッセ総合教育研究所が中学2年生を対象に行った「第5回学習基本調査」によると、家庭での平均勉強時間(塾での勉強時間も含む)は1日90分です。2001年に行なった調査では、平均勉強時間は1日80.3分でした。つまり、14年間で9.7分も勉強時間が増えたことになります。
勉強時間が増えた背景として、同調査で「今は勉強することが一番大切なことだ」と答えた中学生が多くなったことが理由として挙げられています。2001年の調査では「今は勉強することが一番大切なことだ」と答えた中学生が24.5%だったのに対して、2006年では29.5%、2015年では39.6%と年々その割合は増えており、14年間で15.1ポイントもアップしていることになります。
1-2.受験シーズンの勉強時間は?
高校受験のシーズンになると、最後の追い込みということもあって勉強時間も増えていきます。例えば、夏休み以前は1日2時間程度だった勉強時間も、受験直前の1、2月ともなると、平日で4~5時間、休日で8~9時間と倍以上の時間を勉強に費やすようになります。もちろん、志望校の難易度によって、勉強する時間も変わってきます。そのため、難関校を目指す場合は、1、2月の休日に10時間以上もの勉強をする中学生もいます。
2.勉強体質への改善のためのポイント
クラスメイトや友達が勉強していると、自分も頑張らなくてはと思うものです。しかし、今まで勉強する習慣がなかった人がいきなり机に向かうのは難しいものがあるでしょう。そこで、勉強をする習慣がなかなか身につかない人の為に、勉強体質を作るポイントを紹介していきます。
2-1.勉強のスケジュールを逆算して組み立てる
やみくもに机に向かっても、成績アップには結びつきにくいものです。結果が出ないと途中で諦めてしまい、長続きしなくなります。効率的に、そして継続的に勉強を進めるためには、しっかりとしたスケジュールを立てることが大切です。ただ漠然とスケジュールを立てるのではなく、最終的な目標を意識して、それを叶えるためのスケジュールを立てましょう。では、中学生の勉強の最終的な目標とは何でしょうか。それは志望校に合格することです。しかし、これではあまりにも漠然としていて、どのように勉強を進めていけばよいのか分からず、スケジュールが立てにくいのではないでしょうか。
そこで、おすすめしたいのが、長期的な目標から逆算して、短期目標を立てる方法です。つまり、1日単位でできる目標を落とし込む方法です。例えば、志望校に合格するためには問題集を3周する必要があると仮定しましょう。受験まで半年しかないとしたら、2カ月で問題集を1周する必要があります。問題集1冊が180ページだとすると、60日で割れば、1日あたり3ページ取り組む必要があることが分かります。このように1日単位のスケジュールに落とし込むと、やるべきことが明確になり、勉強に取り組みやすくなるのです。
2-2.徐々に勉強時間を増やす
今まで勉強してこなかった人がいきなり勉強するように言われても、なかなかできるものではありません。なぜなら、勉強はトレーニングと同じだからです。例えば、今まで何の運動もしてこなかった人がマラソンを完走しようと思ったら、トレーニングを重ね少しずつ走行距離を増やしていき、最終的に完走することを目指すでしょう。それと同じで、勉強時間も少しずつ増やしていき、脳や体を少しずつ慣らしていく必要があります。
机に向かう前に、まずは集中力がどのくらい続くものなのかを把握しましょう。実は、子どもと大人では集中できる時間に差があります。一般的に、子どもが集中できる時間は30分程度と言われています。それに対して、大人は40~50分で、最長でも90分程度とされています。例えば、子ども向けのテレビ番組に15分や30分のものが多いのも、子どもの集中できる時間を考えて作られています。一方、高校生にもなると授業時間は50分程度、大学の授業時間は90分程度になります。これは年齢を重ねるにつれ、集中できる時間が長くなるからです。
以上のことを踏まえると、中学生が長時間机に向かっても、集中力が長くは続かないということが分かります。いくら長い間勉強していても、気が散った状態では身に付きません。次第に、勉強を続けるのも苦痛になっていくでしょう。そこで、対策として勉強の合間に休憩を挟み、集中力を保つといったことが挙げられます。おすすめは、ポモドーロテクニックという方法です。「25分の作業+5分の休憩」を1ポモドーロとして勉強を行います。5分の休憩を挟むことで、集中力を維持することできます。
また、昼寝をするのもいいでしょう。当然、勉強には脳を使います。勉強の合間に約15分~20分の昼寝を行い、脳を休ませましょう。睡眠をとることによって脳がリフレッシュされ勉強の効率が上がります。
2-3.小さな達成感をいくつも作る
志望校に合格するためには、長期にわたって勉強をしていかなくてはなりません。そんな中、ただ漠然と勉強するだけでは次第にモチベーションも下がっていきます。特に今まで勉強してこなかった人は、何をどうすればよいのか分からず、途中で放り出してしまうこともあるでしょう。そこで、おすすめしたいのが、1日ごとの目標を決めることです。目標を達成することで、勉強への嫌悪感が消えモチベーションもアップします。さらに、目標達成を繰り返すことにより、やればできるという自信につながっていきます。そして、目標達成した経験が積み重なっていくうちに、勉強をすることが楽しくなっていくでしょう。
目標を立てる際のコツは、得意・不得意に合わせて達成できる目標の難易度を変えることです。不得意な分野であれば、学習内容の難易度を低めに設定して、問題の正解率を上げるようにしましょう。問題の難易度が高すぎると目標を達成することができず、勉強を続けるのが嫌になってしまうからです。それに対して得意な分野であれば、学習内容の難易度を高めにしましょう。というのも、すぐに達成できる目標だと手応えがなく、勉強がつまらなくなってしまいます。例えば、数学が苦手であれば、小学生の算数まで遡って、問題を解いていくようにします。達成感が味わえることで数学が面白くなると同時に、基礎が身に付きます。一方、得意な分野でも問題が半分以上解けないのであれば、まだ十分な実力がついていないと言えるでしょう。解けない問題が続くと、自信喪失につながってしまい、勉強するのが嫌になってしまいます。こうした場合は、素直に問題のレベルを落とすようにしましょう。
3.勉強時間を増やすためにしてはいけないこと
1日は24時間しかありません。今までの生活の中から、勉強時間を確保するためには、その分何かを削る必要がでてきます。しかし、中には削ってしまうと、勉強の妨げになってしまうものもあります。そこで、次から勉強時間を増やすためにしてはいけないことを紹介します。
3-1.睡眠時間を削ってしまう
勉強する時間を確保するために、やってしまいがちな失敗が睡眠時間を削ってしまうことです。実は、睡眠には重要な役割があります。まず、睡眠を取ると、脳と身体を休ませることができます。また、眠っている間に脳は起きていた間の記憶を整理して、まとめるという作業を行っています。しかし、睡眠時間が不足してしまうと、これらの作業が不十分になってしまいます。そのため、勉強しても集中力が維持できませんし、記憶力も下がってしまいます。その結果、せっかく勉強しても、知識が定着せず、学力アップにはつながりにくくなってしまいます。
また、睡眠不足だと身体の免疫力が落ちてしまい、風邪を引きやすくなります。米国医師会の論文によると、睡眠時間が不十分な人は十分な人と比べて、風邪にかかりやすいという結果が出ています。受験シーズンはちょうど冬です。風邪やインフルエンザが流行しやすい季節です。風邪を引いてしまうと、勉強をする時間が取れなくなってしまいます。また、受験当日に風邪を引いてしまうと、せっかく身に付けた学力を発揮できなくなってしまいます。その結果、志望校の合格からも遠ざかってしまいます。
厚生労働省の発表によると、日本人の平均睡眠時間は6、7時間です。このくらいの時間は睡眠をとるようにすることをおすすめします。受験生であったとしても、睡眠時間を削らないような無理のない勉強スケジュールを立てるようにしましょう。
3-2.学校の授業を疎かにする
受験生になると、塾や家庭での勉強を中心としてしまいがちです。その結果、学校の授業を疎かにしてしまう人もいます。例えば、先生の目を盗んで、授業の内容とは全く違う受験用の勉強をする人もいるでしょう。なかには、深夜まで受験勉強をしていたため眠くなってしまい、授業中に居眠りをしてしまう人もいます。
しかし、学校の授業をないがしろにするのは、受験にとっては逆効果になってしまう場合もあります。なぜなら、内申点が悪くなる恐れがあるからです。普段の校内テストだけでなく、学校の授業に取り組む姿勢も内申点の対象となっています。そして、大半の公立高校では、筆記試験だけでなく内申点も合否にかかわってきます。当然、内申点が低ければ、いくら筆記試験が良い結果でも、落ちてしまう可能性があります。いくら受験が間近に差し迫っていても、学校での授業は真剣な態度で臨むようにしましょう。もし学校で行っている授業がすでに塾や家庭で学び終わったことであったとしても、復習として捉えると前向きに臨めるようになります。何度も繰り返し学ぶことにより、記憶の定着にもつながるでしょう。
1人で難しければ塾を活用しよう
勉強は1人で行うことも多いものです。しかし、塾に行ったり家庭教師に教えてもらうことで、モチベーションがアップすることもあります。また、1人では理解するのに時間がかかる勉強も、教えてもらうことで効率的に学習することが可能になります。1人で悩むよりも、塾などの環境を利用することも1つの手として活用しましょう。