上毛かるたは勉強に役立つ?上毛かるたと勉強の関連性とは
群馬県民のかるたと言えば上毛かるたです。地域や学校でも練習する機会があり、地区大会、県大会に参加して勝ち進んでいくのを楽しみにしていたお子さんも多いのではないでしょうか。群馬県民お馴染みのこの上毛かるたにも子供を勉強好きにする秘密が隠されています。そこで今回は上毛かるたと勉強の関連性についてご紹介します。
日本で最初の郷土かるた!上毛かるたの歴史とは?
上毛かるたは昭和22年、戦後の新しい教育制度がはじまり、新教科である社会科ができた年に発行されました。日本の郷土かるたの草分け的存在として誕生し、それから現在に至るまでかるたの絵札はほとんど変わっていません。唯一変わったのが、昭和43年に「力を合わせる百六十万」の札が「力を合わせる二百万」に変わったことです。そのため、群馬県に生まれ育った親世代、子供世代ならほとんどの人が絵札をそらんじることができると言われています。上毛かるたには群馬県の歴史や名所、人物、産業などがわかりやすく描かれており、郷土愛を高めるとともに歴史を知るきっかけ作りにも役立っています。また、上毛かるたの大会の歴史は日本で最も長く、誇るべき伝統行事のひとつとなっています。
かるた遊びを通じて得られること
上毛かるたは読み札にあった絵札を取り合うというシンプルな競技ですが、本来、かるた遊びには言葉の学習として子供の語彙を増やすという目的もあります。特に小さい頃はかるた遊びを通じて言葉や字の形を学んだという人も多いのではないでしょうか。また、かるたを相手よりも早くとるためには絵札と文章を同時に覚える必要があり、繰り返し練習することで記憶力を鍛える効果も期待できます。さらに、短い時間で絵札を覚える集中力や精神力などかるた遊びを通じて得られる経験は大きいのではないでしょうか。
学力を伸ばすためには聞く力が大切
ケアレスミスや聞き間違いが多い子の中には、聞く力が弱いことがあります。人の話を聞くときに集中して聞くことができないと、重要なことを聞き逃してしまったり、授業の中でなにが大切なことかを理解することができなくなってしまいます。こうした聞く力は学力の向上には欠かせないので、小さなうちからしっかりと聞き取る力を身につけることが大切です。上毛かるたを小さなころから続けるメリットのひとつはこの「聞く力」をしっかりと伸ばせることです。絵札を素早く取るためには、読み手の読み上げる声を集中して聞かなくてはなりません。耳を鍛えるという意味でも上毛かるたは役立ちます。また、競技中は自分だけでなく、周りの人のも一緒になって読み手の声に集中するので、集団で一人の声に耳を傾けるという授業の様子にも似た環境に慣れることができます。
上毛かるたを通して育つ記憶力
上毛かるたで効率よく札を取るためには、文字・絵・言葉の3つの要素を合わせて覚える必要があります。記憶には短期記憶と長期記憶がありますが、上毛かるたにはこの両方を鍛える効果が期待できます。札が読まれてから頭の中で探している札を繰り返すのには、短期記憶が必要です。短期記憶が弱いと人の話を聞いても理解するのが間に合わなかったり、人の意見を聞くのが苦手になったりします。また、短期記憶の働きに関わる脳の前頭連合野は感情のコントロールや理性、判断力なども司っているため、短期記憶が弱い人はこれらのことも苦手な可能性も高いと言えます。子供にとって短期記憶を小さいころから鍛えるというのはとても大切なことなのです。一方、長期記憶は繰り返し覚えることで、長い間脳内に記憶される記憶のことです。おじいちゃん世代もそらんじて言えるほど記憶に残る上毛かるたには、この長期記憶が関わっていると思って間違いありません。小さいころ繰り返し学習したことは大人になっても記憶として残るという良い見本のひとつです。
上毛かるたで記憶力と集中力を磨こう!
かるた遊びは子供時代に親しまれる遊びの中でも、子供の学力を伸ばすとても良い遊びです。テレビゲームや携帯ゲーム、スマホなどの普及により子どもたちがこうした遊びに興じる機会は少なくなっていますが、群馬県では県をあげて上毛かるたを行うことで子供達が将来の学習において必要な集中力や記憶力を磨くことにも役立っています。中学生になると上毛かるたで遊ぶ機会も少なくなりますが、小学校のころはわからなかった歴史的な見解から楽しむこともできます。上毛かるたで紹介されている名所を訪れてみたり、偉人の活躍を調べてみたりすることで更に深く群馬の歴史に触れることができるのではないでしょうか。また、共通の楽しみとして親子のコミュニケーションツールとしても活用してみてはいかがでしょうか。