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小学校で英語が必修化!中学で身につけるべき英語力とは?

2011年から小学校でも英語の授業が必修化となり、英語教育への取り組み方が国レベルで変わってきています。(※1)今までは英語の時間でも日本語を用いて授業を行い、英語を読んだり覚えたりと言った勉強が中心となっていました。しかし、今後は国際社会で活躍するために実際に活用できる英語力を身につけるための教育が求められています。そこで今回は、変わりゆく英語教育の実態と中学生のうちに身につけたい英語力についてご紹介します。

英語教育は「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能の習得が大切!

文部科学省では「グローバル化に対応した英語教育改革実地計画(平成25年12月公表)」に基づいて、小・中・高校を通じた先進的な取り組みを進めてきました。しかし、平成23年度以降毎年実地されている「英語教育実施状況調査」の中学・高校における生徒の英語力に関するアンケート結果によると、残念ながらまだ十分な改善が行われていないのが現状です。高校3年生を対象として行われた平成26年度「英語教育改善のための英語力調査」の結果でも「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能すべてにおいて課題が見つかり、現在の学校教育だけでは国の求める英語力アップに到達していないという問題が上がっています。(※2)この背景には、日本の英語教育の現場では言語を取得するための「アウトプット」する機会が非常に少なく、普段使わない英語を学問としてしか学べていないという背景があります。英語を活用する機会が多いほど、言語として活用することができるのです。

中学校で行われる英語4技能を測定する全国的な学力調査とは

小学校・中学校・高校での生徒の英語力向上が不安視される中、文部科学省が打ち出したのが「生徒の英語力向上推進プラン」です。都道府県ごとに生徒の英語力の目標を設定して公表を要請し、「英語教育実施状況調査」に基づく都道府県別の英語力も公表することになっています。また、義務教育段階の中学校において英語4技能を測定する「全国的な学力調査」を国が実施することで英語力を把握し、生徒の着実な英語力向上を図ることを目的としています。(※2)都道府県別の学力調査を行うことによって、よりキメの細かい指導や対策が可能になると考えられます。さらに、中・高・大学での英語力と入学選抜における英語の4技能を測定するために民間の資格や検定試験の活用も引き続き行っていくことになっているため、英語検定などの積極的な挑戦も必要となります。英語検定では中学卒業段階で3級、高校卒業段階で準2級を目標としていますが、学年に関係なく生徒の英語力に応じて受けられるというメリットがあります。早いうちから挑戦することで英語に対するモチベーションアップも期待できます。

実際の中学生の英語力とは?

平成26年度に行った英語教育実施状況調査によると、中学校3年生の生徒のうち英検3級以上を取得している生徒の数は全体の18.4%、英検3級を取得してはいないものの相当の英語力を有すると思われる生徒は全体の16.3%となっており、合わせて34.7%となっています。平成25年度では両者を合わせて32.2%だったことから2.5%アップしていることになります。今後、中学卒業段階で英検3級程度の達成度は50%の割合を目標としていますが、まだまだ課題は多そうです。また、高校卒業段階でも現在31.9%である準2級程度の英語力を50%が達成することを目標としており、小・中・高を通じて積極的な英語力の向上が求められています。

英語力を育てるために中学校で苦手意識を持たないことが大切

テストの結果から4技能全てにおいて課題があるとともに、特に「書くこと」と「話すこと」に対して課題が多いことがわかっています。また、高校生を対象に行ったテストでは「英語が好きではない」と回答する生徒数が半数を上回っており、英語に対する苦手意識を持つ子どもが多い印象です。一方で、テストで高得点を取った生徒ほど英語が好きと回答する割合が高く、苦手意識がそのまま点数に反映した結果となりました。現在身についている英語力によって将来のビジョンも大きく変わっており、英語力の高い子供ほど英語を活用してグローバルに活躍したい、大学で自分が先行する学問を学びたいと学習意欲が高いことがわかりました。このことからも、早いうちから英語力を伸ばすことは、その後の子どもの学習意欲や将来の可能性を高めることに役立つと言えます。

中学義務教育における英語教育の課題とは

生徒の英語力向上を求める一方で、教師の指導力不足も問題視されています。特に、技能統合型の言語活動・指導が十分でないという指摘があります。技能統合型とは聞いたり読んだりしたことに基づいて、話し合いを行ったり意見交換を行ったりしていく活動のことです。スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションといった経験を積むことで更なる英語力の向上が期待できます。学校教育だけでは思うように進まないという現状の中、塾などの校外学習活動を通じていかに英語力を伸ばしていくのかが中学生活の課題となりそうです。

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<参考URL>

※1【文部科学省】外国語教育http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/index.htm
※2【文部科学省】平成28年度「英語教育実施状況調査」の結果についてhttp://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1384230.htm

この記事の監修者

ベスト学力向上委員会

元中学校教論を編集長とし、小中高それぞれを専門としている3名以上の講師チームで記事を監修しています。
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