英語の助動詞は意外とカンタン!意味だけでなくイメージをつかもう
「英語の助動詞」と聞くだけで「いやだ」「難しい」と考えてしまう人もいるかもしれません。「推量」や「可能性」など、あいまいなニュアンスで使われる場合も多いので、なんとなく苦手意識を持ってしまう人が多いのでしょう。ところが、各助動詞は複雑多岐にわたる意味をたばねることができる単純なイメージを持っています。このイメージと基本的な役割さえ知っていれば、意外と簡単に助動詞が攻略できるかもしれません。そこで、今回は助動詞を攻略するためのコツについて紹介します。
助動詞の役割とは
#助動詞の基本的な役割
英語の助動詞とは、本人(話し手)の心理状態を示したり、気持ちを付け加えたりする働きをします。例えば、助動詞を活用することで「~しなければならない」「~のはずだ」「~してもよい」などの意思表示が可能です。つまり、「推量」や「判断」を相手に伝えることができます。
#使い方のルール
使い方の基本的なルールは2つです。助動詞の後ろは、動詞の原形になります。すなわち、助動詞は動詞の直前に置く必要があり、「助動詞」+「動詞の原形」のパターンで活用するのがルールです。そして、2つの助動詞を続けて使うことはできません。例えば、「You will be able to play the guitar.(あなたはギターを演奏することができます)」は文章として成立します。しかし、同じ意味「can」を活用して「You will can play the guitar.」にすることはできません。なぜなら、「will」および「can」は助動詞であるため続けて使用することができないからです。
#助動詞が英語で「modal auxiliary verb」と呼ばれている理由
助動詞は英語で「modal auxiliary verb」と呼ばれています。一方、英語の辞書などで助動詞にあたる単語を調べると、品詞を区別する略号は「auxil.v.」と記されているのが一般的です。「auxil.v.」は「auxiliary verb」の略であることは理解できますが、「modal」とは何を意味しているのでしょうか。「modal」は、日本語で使われている「~モード」を意味します。例えば、デジタルカメラのピント調整機能には「automatic mode(自動モード)」と「manual mode(手動モード)」が用意されているのが通常です。考え方はこれと同様で、各助動詞にはそれぞれの「モード」が設定されていることを意味しています。簡単に説明すると、助動詞「will」を使用した場合の文章は「willモード」に、「must」を使用した場合は「mustモード」に設定されます。当然、モードの混在はできないため、助動詞の混在(連続使用)もできないことになるのです。
基本的な助動詞と意味
基本的な助動詞について、一般的に解釈されている意味を以下に紹介します。各助動詞には、複数の意味が存在するため、すべてを書き出すのは困難です。それぞれの意味は代表的な例として示しています。
・will:たぶん~だろう、~するつもりだ、~してくれませんか?
・would:~でしょう
・can:~することができる、~してもよい、~してくれませんか?
・must:~しなければならない、~に違いない
・need:~する必要がある
・may:~してもよい、~かもしれない
・should:~すべきだ、~のはずだ
・shall:~します
助動詞を覚えるコツ
#各助動詞のイメージを知れば臨機応変な対応が可能
助動詞は話し手の内面にある微妙な心の動きなどを表現する場合が多いため、その意味をすべて覚えようとするのは得策ではありません。各助動詞は、単純なイメージを持っています。このイメージさえ覚えてしまえば、文章の前後関係に応じ、その役割を最適化させるのは難しいことではありません。そのイメージとは「will:意志や判断」「may:可能性」「should:当然」などです。以下、助動詞「will」を例にして説明します。「I will go there.」の場合、教科書に沿った一般的な解釈をすると「私はこれからそこに行くでしょう。」になります。ここでの解釈、推量(~だろう・~でしょう)、未来(これから~する)、などは「will」のイメージ「意志や判断」を前後関係に応じて、その役割を最適化させたものです。つまり、各助動詞が持っているイメージを知っていれば、臨機応変な解釈が可能になり、細かな意味まで無理に覚える必要はないのです。
#似たような表現は比較して覚えるのがコツ
比較することでも効率的に覚えることができます。例えば、人に何かをお願いするときに「Would you ~?」「Could you ~?」などが活用されます。同じ依頼であっても、両者のニュアンスは微妙に異なるため、使い方を誤ると相手を不快にさせてしまうので注意が必要です。大失敗を避けるためには、より丁寧な方を使う着意が大切で、この場合は「Would you ~?」の方が丁寧な言い方になります。したがって、迷ったときは「Would you ~?」を使っておけば安心です。
#短文単位で覚えれば使い方も理解できて一石二鳥
各助動詞を単体で記憶しようとするのではなく、基本的な短文(構文)で覚えておくと、使い方まで理解でき語彙力も増えて一石二鳥です。例えば、「We can make it.(私たちならできる)」「Can we make it?(私たちにできますか?)」のように、簡単な文章をセットで覚えるのが効果的でしょう。
助動詞はイメージをつかめば習得が早まる!
助動詞には複数の意味が存在し、文意によって微妙なニュアンスの違いもあります。すべてを覚えようとするのは得策ではありません。大切なのは、各助動詞が持つイメージをつかんで、状況に応じ役割を最適化させることです。そして、紛らわしいものは似た表現の比較、短文単位での記憶も重要です。これが、しっかり習得できていれば、文意に応じた適切な解釈ができます。少なくとも、イメージさえつかめていれば、間違った解釈の防止につながるでしょう。これは、文章内容を適切に理解したり、意思疎通を正確に行ったりするうえで極めて有効です。