語彙力って必要なの?語彙力を鍛えるには
語彙力(ごいりょく)とは、言葉や単語を知り使いこなせる能力のことで、人と話をしたり、文章を作成したりするうえで欠かせないもののひとつです。社会に出れば、教養として一定以上の語彙力が必要となります。では、語彙力が豊富な人と乏しい人の差はどこでついてしまうのでしょうか。実は普段の生活の中に語彙力を育てるカギがあるのです。そこで、今回は無理なく語彙力をつける方法を紹介します。
語彙力がないとどうなる?
語彙とは言葉や単語そのものです。語彙力が高いということは、それだけ多くの言葉や単語を知っているということであり、状況に応じて使い分けることが可能です。すると、ひとつのものを表現するとしても、さまざまな表現方法が生まれ、相手にわかりやすく伝えることができるようになります。一方、語彙力がない場合、言いかえる言葉を知らないため、いつも同じ言い回し、同じ言葉を繰り返しになりがちです。
すると、会話や文章の内容が単調になったり、抽象的でわかりにくくなったりします。語彙力の差は表現力や解説力にもつながるため、語彙力がないと「頭が悪い」「知識に乏しい」という印象を与えてしまうのです。魅力的な会話や文章を作るために語彙力の高さは欠かせないということですね。
語彙力がない人の特徴は?
では、具体的にはどのような人が語彙力の低い人なのでしょうか。語彙力のない人の特徴をみてみましょう。まずは、普段から本や新聞を読む機会が少ない人です。新しい言葉や単語に触れる機会が少ないため、必然的に語彙力が低くなります。また、会話をしたり文章を書いたりするときに、同じような言い回しばかりしてしまう人も、語彙力が乏しい可能性があります。さらに、知らない単語や言葉を知ったときにその意味を調べない人は、言葉や単語の使い方がわからないので語彙力が伸びません。こうしたことの積み重ねで、語彙力が低いまま大人になってしまう人も少なくないのです。
文章に接する機会を増やそう
語彙力を伸ばすためには、良質の文章に触れる機会をどれだけ多く持つことができるかがカギとなります。できるだけ普段から本や新聞を読む機会を持つようにしましょう。特に教科書に載っているような日本文学や純文学がおすすめです。正しい日本語の使い方を身につけるとともに、豊かな感情表現や知識を吸収することができるため、飛躍的な語彙力アップにつながります。最初は読みやすい短編小説や詩集からでもかまいません。毎日少しずつでも本を開く機会を持つようにしましょう。
新聞も、正しい情報の伝え方を知るうえで欠かせないアイテムです。たくさんの情報をどのようにまとめ、どのように伝えているのかを意識して読むようにしましょう。知らない言葉や単語が出てきたらその場で調べることで、知識が定着します。言葉や単語の正しい読み方、意味、使い方の3点セットで覚えておくようにしましょう。気になる言葉や単語はすぐに辞書を引いて調べる癖をつけておけば、語彙力はどんどん高くなります。
このとき、大切なのは人に聞かないということです。親や先生であっても言葉の意味や成り立ちを辞書のように正しく伝えるのは難しいことです。中途半端に理解したままだと、使い方を間違えたり、正しく理解できなかったりする可能性があります。また、自分で意味を調べるという動作を行うことで記憶に残りやすくなる効果も期待できるため、面倒でもその都度辞書を引くようにしましょう。
自分と身近な人以外と接する
語彙力を伸ばす方法は、文章に触れることだけではありません。人との会話の中にも語彙力を成長させる可能性が隠されています。特に、ある程度年代が離れている人や、バックグラウンドが異なる人との交流は効果的です。普段友達や家族と話す内容とは違う会話を楽しむことができるでしょう。その中で、「どのような言葉が出てくるか」「どんな単語を使って会話をしているのか」を意識して聞いてみるようにしましょう。普段の会話の中で、「どの言葉がどのような場面で使われているのか」「どのような言葉がどんな状況を表すのに効果的なのか」をリアルに感じることができます。
また、言葉の使い方がわかったら自分も積極的に使ってみるようにしましょう。言葉は、ただ知っているだけではそのうち忘れてしまいます。普段から意識して使いこなすことで、自分自身の知識や教養として定着していくのです。
言葉を調べることを習慣にしよう
語彙力は、物事を言い表す言葉の種類が豊富で、わかりやすく的確に説明できる能力のことです。語彙力を高めることで表現が豊かになり、自分の考えや思いを相手に伝えやすくなります。逆に、語彙力が低いと幼稚で教養がない印象を与えてしまうため、ある程度の語彙力は必要となってきます。語彙力を鍛えるには読書が一番です。本や文章を読むことで、新しい言葉に触れる機会が多くなり、自然に語彙力が高まってくるからです。しかし、読書で語彙力を鍛えるには時間がかかります。また、語彙力の低い人の中には読書が苦手な人も多いでしょう。そこで、読書をしなくても語彙力を鍛えることができる方法を紹介していきます。
まずは、日常生活の中で知らない言葉や曖昧な言葉が出てきたら、すぐに意味や使い方を調べてみることです。現在では辞書を引かなくても、スマホやパソコンを利用してインターネットで簡単に調べられます。外出中でも気になった言葉があれば、スマホで調べてみましょう。その都度、自分で調べることで語彙が広がり、知識の定着率も高くなります。語彙力を鍛えるには、言葉を調べることを習慣にすることが大切です。
口癖を自覚して直そう
次に自分の口癖を直すことです。自分では気づいていなくても、無意識のうちによく使ってしまう言葉があります。口癖で多いのが話はじめの「えーと」「あのー」「まあ」「なんか」等です。その他には「なるほど」「たしかに」「わかるわかる」といった相づちや、「要するに」「つまり」といった接続詞、「○○的な」「○○みたいな」といった比喩表現も、口癖になっている人が多いのではないでしょうか。語彙力が低い人ほど口癖が多い傾向があります。口癖が多い分、他の言葉を使用する機会が減ってしまうのが原因となり語彙力が向上しないと考えられます。語彙力を鍛えるためには口癖を直すことが大切です。
自分の口癖を自覚していない場合は、身近にいる家族や親しい友人に聞いてみましょう。その際、いきなり口癖を聞いても相手が戸惑う場合があるので、先に相手の口癖を教えてあげると、自分の口癖も聞き出しやすくなります。その他にも、自分の普段の会話をICレコーダーやスマホのボイスレコーダーの機能で録音しておくという方法もあります。録音した内容をあとで聞き返してみると、口癖だけではなく、自分の語彙力のなさを実感することも多々あるでしょう。それが語彙力を高めようというモチベーションにつながる効果も期待できます。
自分の口癖を自覚できたら、その言葉は意識的に使わないように封印します。「えーと」や「あのー」などの無駄なつなぎ言葉は使用禁止です。その他の口癖も言ってしまいそうになったら、他の言葉に置き換えて表現するように努力しましょう。口癖を言ってしまった後でも、気が付いたら頭の中で言い換えてみることも大事です。それを繰り返すことで、だんだんと語彙力は高まってきます。
単純な言葉は使用禁止!具体的に説明しよう
さらに「やばい」「すごい」「かわいい」など、ついつい使ってしまいがちな単純で曖昧な言葉を禁止にしましょう。これらの言葉は様々な場面や状況で使える便利な言葉ですが、この言葉だけでは表現力が乏しく、多用していると語彙力が育ちません。また、あまり親しくない相手との会話では稚拙な印象を与えてしまいます。語彙力を鍛えるためには、これらの単純な言葉は使用しないで、具体的なポイントを説明するように訓練しましょう。
例えば、「かわいい」という言葉が出てきそうになったら、どんなところが、どんな風にかわいいのかを表現してみてください。1つだけでなく、なるべく複数のかわいいポイントを表現することで語彙力アップのトレーニングになります。もしも、先に「かわいい」と言ってしまっても、その言葉を補足するように説明を加えることが大事です。その繰り返しが確実に語彙力アップにつながります。
覚えた言葉は積極的に使ってみよう
最後は、覚えた言葉を積極的に使いましょう。言葉を知っているだけでは語彙力は鍛えられません。意識して使わなければ、そのうちに忘れてしまうことも多いでしょう。インプットだけではなく、アウトプットも併せて行うことで一層効果が上がっていくのです。新しく覚えた言葉は普段の会話の中に取り込んでいき、活用することを心がけましょう。なお、アウトプットの手段は話すことの他に、書くことも有効な手段となります。文章を書くことでも語彙力を鍛えられます。文書を書くというと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、簡単な日記程度のものでも構いません。今日の出来事や思ったこと、気が付いたことをどんな些細な事でもいいので、積極手に書きましょう。人と話す機会が少ない場合は、日記を書いてどんどんアウトプットを行いましょう。
語彙力があると知性が身につく!
語彙力は言葉を理解し、使いこなす能力のことです。語彙力があがるということは、その課程でいろいろな知識を吸収し、身につけることになります。知性を磨くことは、自分自身の成長につながります。知らなかった言葉の意味を知ることで、少し難しい本や話の内容も理解できるようになるでしょう。また、語彙力を身につけることで、会話や文章を通して自然と周りにも知的な印象を与えることができるようになります。
語彙力が低い人は「幼稚」「教養がない」と思われるのに対して、ずいぶん得なイメージではないでしょうか。語彙力をアップすることでコミュニケーション能力もアップするのです。将来、恥ずかしくない大人になるためにも、しっかりと語彙力を磨いておきましょう。
参考元URL
1段落:【意味解説ノート】「語彙力」とは?意味や使い方を解説!https://meaning.jp/posts/1253