音読で成績アップ!?音読の方法やメリットを知ろう
定期試験対策や受験対策では、自分に合った勉強方法を見つけることが大切です。国語や英語が苦手、暗記科目が苦手という人に試してほしいのが音読です。教科書を声に出して読み上げる音読は、内容理解や暗記に役立つ勉強方法です。そもそも音読とはどのような勉強方法なのか、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
音読とはどんな勉強方法?
「音読」とは、声に出して読むことを指します。声を出さずに読む「黙読」の対義語です。文部科学省の学習指導要領では、小学生の国語、中学生や高校生の国語・英語において、音読が中心的な学習方法のひとつに位置づけられています。たとえば小学校高学年の国語では、読む能力を向上させるために「自分の思いや考えが伝わるように音読や朗読をする」よう指導されます。中学生や高校生の国語でも、文章を読み深めるために「様々な種類の文章を音読したり朗読したりすること(中学校)」や「文章を読み深めるため、音読、朗読、暗唱などを取り入れること(高校)」が重視されています。
また、英語でも「書かれた内容を考えながら黙読したり、その内容が表現されたりするように音読すること(中学校)」や「聞き手に伝わるように音読する(高校)」ことが指導要領に盛り込まれています。このように、音読は読む能力や伝える能力を鍛えるために重要な勉強方法のひとつなのです。さらに受験勉強では、日本史や世界史などの暗記科目でも音読が役立つことがあります。音読を使いこなすことで、勉強方法がより豊かになるといえるでしょう。
国語や英語に音読を活用しよう
国語や英語の勉強で音読をするメリットは複数あります。まずは、文章の構造や意味をしっかり理解できることです。たとえば教科書の長い文章を黙読で流し読みすると、ところどころ読み飛ばしてしまったり、分からない言葉があっても無視してしまったりするケースがあります。しかし、音読では一言一句を丁寧に声に出していくため、読み飛ばしができません。知らない言葉や馴染みのない言葉に出会うと、自ずと声が詰まってしまいます。なぜ声が詰まったのかを考えながら、前後の文章を読み直したり単語の意味を調べたりすることで、文章の構造や意味を十分に理解できるようになるでしょう。
また、暗記に役立つのもメリットのひとつです。国語や英語は、単語、熟語、活用など暗記が多い科目でもあります。音読によってリズムをつかむことで、より覚えやすくなるでしょう。たとえば古典の活用は、音読して暗記するものの代表例です。「こ・き・く・くる・くれ・こ・こよ」や「あり・をり・はべり・いまそがり」など、すらすらと口から出てくる人も多いのではないでしょうか。一度リズムを身につけると忘れにくくなるため、ぜひ積極的に音読してみましょう。
暗記科目にも役立つ音読
世界史や日本史、現代社会、生物など受験勉強では暗記科目も多く待ち構えています。音読はこれらの暗記科目に役立つこともあります。たとえば国語や英語と同じく暗記科目でも、教科書の長い文章を黙読していると、つい読み飛ばしてしまったり、途中で上の空になってしまったりする場合があるでしょう。音読をすると、読むことと声を出すことに集中するため、読み飛ばし防止になります。また、メリハリをつけて音読することで、教科書をただの単語の羅列としてではなく、まとまった意味をもつ文章としてとらえられるようになるため、文脈や前後関係を理解する助けになるでしょう。
また、暗記科目で注意したいのが、複雑な個人名などの覚えにくい単語です。たとえば「マルクス=アウレリウス=アントニヌス」や「墾田永年私財法」などの長い単語は、覚えられない、文字を入れ替えて覚えてしまったなどのトラブルが生じがちです。音読によって正しい名称を把握し、リズムに乗せて覚えていくとよいでしょう。
音読を活用しながら自分に合った勉強方法を見つけよう
音読には文章をしっかり理解できる、暗記の助けになるなどさまざまなメリットがあります。音読を上手に活用することで、いっそう勉強の効率が上がるでしょう。ただし、気をつけたいのは、音読をすれば必ず成績が上がるというわけではない点です。音読の重要性は、文部科学省の学習指導要領やさまざまな書籍、インターネットサイトなどで示されています。しかし、人によって適した勉強方法は異なります。ひとつの単語を何度も音読して覚える人もいれば、繰り返しノートに書いた方が覚えやすいという人もいるでしょう。
大切なのは、黙読や音読、ノートに書くなどそれぞれの勉強方法のメリットを理解した上で、自分に合うよう組み合わせていくことです。自分に合った勉強方法を見つけるためには、試験前の一夜漬けを避け、日頃から時間に余裕をもって勉強に取り組むことがポイントです。日々試行錯誤しながら自分らしい勉強方法を見つけ、定期試験対策や受験対策を成功に導きましょう。
<参考URL>
1段落、2段落:【文部科学省】学習指導要領「生きる力」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356249.htm