子供の忘れ物が多い!その原因と対処法とは?
子供の忘れ物が多い場合には、それぞれの原因に合わせた対策が必要となります。
小学生の低学年までは親と一緒に持ち物の準備をしていたが、自分一人でやるようになってから忘れ物をするようになったという子供は少なくありません。
「忘れ物の理由は?」「うちの子供だけではないの?」と心配になる人もいるでしょう。
そこで、この記事では、子供の忘れ物が多い原因やその対処法をまとめました。
1.忘れ物が多くなってしまう原因とは?
小学生や中学生で忘れ物が多いことは、それほどおかしなことではありません。
子供がいつ頃から忘れ物が多くなったのか、できるだけ思い出してみましょう。
もしかすると、次の日の準備を親と一緒にしなくなってから忘れ物が増えていませんか。
そういう場合は、子供が準備の仕方をうまく学べずに、失敗を繰り返してしまっているのかもしれません。
また、忘れ物の原因が子供の性格にあることも考えられます。学校にも慣れて気が抜けてしまっていたり、部屋にある物に意識が向いてしまって集中が続かなかったりと、考えられる原因は子供によって様々あります。
子供の忘れ物はよくあることなので必要以上に深刻にならず、それぞれの原因ごとに子供をサポートしてあげることが大切になってきます。
2.忘れ物が多い子供の特徴
忘れ物が多い子供は、今から挙げていく3つの特徴のいずれかに当てはまっていることが多いです。
自分の子供はどうなのかをここで確認しておきましょう。
その特徴とは、次の3つです。
・整理整頓が苦手
・集中力がなく気が散りやすい
・後回しにするクセがある
どれも小さな子供にはありがちですが、これらの度が過ぎてしまうと忘れ物が多くなる傾向にあります。
原因がわかれば、どういった対策やサポートが子供に必要なのかが明確になるはずです。
これから3つの特徴を一つずつ解説していくので、子供の性格や傾向をしっかりと理解して、改善のための正しいアプローチを選びましょう。
2-1.整理整頓が苦手
まずは、整理整頓が苦手という子供についてです。
子供部屋におもちゃやゲームなどが出しっ放しになっているような状況が続くことがあるかと思います。
また、勉強机の引き出しを開けると中身はぐちゃぐちゃで、まったく分類がされていないという子供もいます。
机の中が片付けられていないのに、ランドセルやカバンがきれいに整理されているという人はあまりいないでしょう。
日頃から整理整頓の習慣がない子供は、次の日までに準備しておかなければならないことをきちんと把握できていないことが多いです。
子供の性格や特性にもよりますが、部屋や持ち物の整理整頓ができていないと、何がどこにあるか分からず、その都度探さなければいけないため、次の日の準備自体が面倒に感じてしまうこともあるようです。
その反対に、きちんと整理整頓がされていて必要なものが目に入る場所に置いてあれば、忘れ物は自然と減っていく傾向にあります。
2-2.1つのことへの集中力がなく気が散りやすい
気が散りやすく、1つのことに集中できない子供は、忘れ物が多くなる傾向があります。
次の日の準備をするのは、たいてい子供の部屋になることが多いでしょう。
ただでさえ子供部屋は、遊び道具などの意識がそれる物が置いてあります。
家族の目を気にせずに、スマホやPCでインターネットを楽しむこともできるでしょう。
そんな誘惑の多い場所に集中力のない子供がいれば、準備そのものを忘れてしまったり、別のことを考えて必要な物をカバンに入れ忘れてしまったりする可能性が高まります。
また、他のことに夢中になって、家を出る時間のギリギリになってからその日の準備をする子供もいるかもしれません。
時間に追われながら準備をすれば、確認することが出来ないので、忘れ物が増えるのは当たり前のことです。
こういったことは子供によくあることなので、あまり深刻にとらえる必要はありません。
しかし、忘れ物を少なくするには、子供の気が散らない環境を作ることが重要です。
また、子供が1人で迷子になってしまったり、トラブルに巻き込まれたりした時も、すぐに連絡が取れます。
深刻な事態になる前に対応できるため、子供がスマホを持っていると親の安心感は強まります。
もちろん、親が子供を監視し過ぎるのもよくはありません。
ただ、あくまで「見守る」だけならスマホは効果的なアイテムです。
子供の安全を確保するために、「小さいうちから持たせたい」と考える親は多いのです。
2-3.後回しにするクセがある
次の日の準備をすぐにやるのが面倒なために、いつも後回しにするクセがついている子供は忘れ物が多いです。
準備が面倒だと思う気持ちは、後回しにしたところで全く変わりません。
準備せずに遊んでしまってそのままやらずに寝てしまうと、朝の短い時間にあわただしく用意することになります。
寝坊した場合には、準備も忘れて家を飛び出すことになるかもしれません。
このように、いったん後回しにしてしまうと、準備にかけられる時間が少なくなり、余裕を持った行動がとれなくなる可能性が高まります。その結果、忘れ物が増えることにつながります。
準備を後回しにしてしまう子供のなかには、スケジュール管理が苦手という場合もあります。
大人であっても、やらなければならないことが複数あるときに、それらを適切な順番で1つ1つ終わらせていくのは大変です。
子供にも塾や宿題、スマホなどを使った友達とのやりとりなど、ないがしろにできないことが多くあります。
それらのことをスケジュール管理しながら、次の日の準備もきちんと終わらせるのは簡単ではないでしょう。
親が最初に終わらせておいたほうがよいことを子供に認識させて、時間の使い方を教えることができれば、忘れ物の防止対策になるはずです。
3.忘れ物が多いのは発達障害?
忘れ物が多く、1つのことに集中できないといった子供の特徴を見たときに、ADHDなどの発達障害なのではないかと不安になるかもしれません。
ADHDとは、注意欠如・多動性障害とも呼ばれ、不注意と多動性、衝動性といった3つの特徴を持っています。
具体的には、集中力が続かず(不注意)、不自然に動き回ったり落ち着きがなかったりし(多動性)、後先を考えずに突然行動(衝動性)する特徴があります。
ADHDは子供のうちに症状が出ることが多く、学校の成績が上がらなかったり、周囲の人たちと関係が上手く築けなかったりと、生活するうえで足枷になる事例も少なくありません。
しかしながら、ADHDの症状には、小学校や中学校に通う子供であれば「そういう性格だよね」で済んでしまうことも十分にあります。
クラス替えの後で、よく知らない人とすぐにコミュニケーションがとれる人もいれば、それがなかなか難しい人もいるでしょう。
不得意なことがあるだけで、ADHDと決めつけるのはよくありません。
ADHDは診断が難しいものなので、どうしても心配ならば自分だけで判断せずに病院へ行くことをおすすめします。
4.忘れ物が多い子供に対して親がしてはいけないこと
子供が忘れ物をしたとき、その忘れ物は届けたほうがよいのでしょうか。
それとも、子供の反省をうながすために、あえて届けないほうがよいのか悩む方も多いでしょう。
実際どちらを選んだら子供のためになるのか難しいところですが、子供の忘れ物をなくすためには、心配するあまり不要なサポートをしてしまうのは避けるべきです。
また、子供を頭ごなしに叱りつけるなど、子供にやる気をなくさせて逆効果につながることもよい方法とはいえません。
ここでは忘れ物が多い子供に対して、親が行うべきでないことについて解説していきます。
普段自分がどのような態度で子供に接しているかを思い出しながら、効果的なサポート方法を見つけていきましょう。
4-1.忘れ物を届ける
子供が忘れ物をした場合、「次からは忘れ物をしないように気をつけよう」と思うように、親が学校まで届けるのはやめましょう。
忘れ物をして親に届けてもらうことが習慣になってしまうと、子供は「忘れても親が届けてくれるから大丈夫」と思うようになってしまい、忘れ物をなくすという意識改善から大きく遠ざかる恐れがあります。
その一方で、忘れ物をするたびに厳しく叱りつけても、子供の自信とやる気をなくしてしまうかもしれません。
なぜ忘れ物をしたのかを子供に考えさせて、同じことを繰り返さないためには何が必要なのかを一緒に決めていきましょう。
4-2.持ち物の準備を子供の代わりにする
子供の忘れ物が多いために親がイライラしてしまい、「これならば自分が代わりに準備したほうが気持ちは楽だし確実だ」と考えたことがある人も多いかもしれません。
しかし、子供の代わりに親が準備をしてあげるのは避けるべきです。
子供が自分自身で準備する練習ができなくなり、経験が積み上がっていきません。
さらに、自分で準備して忘れ物をなくすといった意識が消えてしまえば、忘れ物の責任を親に押しつけるようになることも考えられます。こうした悪循環が生まれてしまい、子供のためになりません。
ただし、準備が子供だけでうまくできないのであれば、親がアドバイスなどでサポートしてあげましょう。
その時にも、あくまで子供に準備をさせることで、親は手を貸してくれないということを理解させることが重要です。
このやり方を続けていき、子供にとって次の日の準備が習慣になれば、忘れ物をなくすための大きなきっかけになります。
4-3.性格の問題と捉えて放置する
子供の忘れ物が多いことを、本人の性格だからと放置してしまうのはやめましょう。
子供は新しいことをどんどん学んでいきますが、自分で解決方法が見つからないこともあります。
そんな子供を放っておくと、いつまでたっても忘れ物がなくならないまま成長してしまうかもしれません。
子供が準備のやり方をわかっていないようならば、大人のほうから声をかけて相談にのってあげましょう。
ただし、失敗しながらも問題解決のために試行錯誤しているようならば、距離をおいて見守ってあげることも大切です。
子供の様子をしっかりと見て、そのときに必要なサポートをしてあげましょう。
5.忘れ物を減らすためには?
忘れ物が多い子供は、自分で忘れ物を減らすための方法がわからずに悩んでいることもあります。
先生や親に叱られて反省しても、うっかりを繰り返してしまう子供もいるでしょう。
小学生や中学生は、これからいろいろなことを学んで大人になるための用意をしていきます。
この時期に親のサポートを得られず、自己責任として放っておかれるのは子供のためになりません。
忘れ物をしてしまう原因は、子供の性格や特性によっても違ってきます。
子供に寄り添いながら適切なサポートをしていくために、これから挙げていく忘れ物を減らすための方法を参考にしてください。
5-1.生活習慣を見直す
子供の忘れ物を減らすためには、生活習慣を根本から見直すことが遠回りのようで近道です。
夜寝るのが遅い子供は、朝に準備するための時間や忘れ物を確認する時間を十分にとることが難しくなります。
それどころか、準備をする時間が生活サイクルの中に入っておらず、家を出る時間ぎりぎりにあわてて行う子供もいます。
準備は前日までに余裕を持って終わらせておくのが理想です。
生活サイクルの中に準備をする時間をとっていない場合には、その時間を一緒に決めてあげると習慣にしやすくなります。
準備時間を確保することで時間的にも精神的にも余裕が生まれ、問題の解決につながる可能性が高まります。
5-2.モノ・情報の整理整頓を行う
子供がモノや情報の整理整頓ができないときには、片付けのルールを設けることが効果的です。
例えば、学校に必要な荷物はいつも決まった場所に置くようにして、準備のときはその中から取り出すだけという環境を作ると面倒も減るでしょう。
プリントがカバンの底でつぶされていて提出するのを忘れてしまったという経験があるならば、帰宅後にカバンの中身をすべて取り出すというルールを決めるのもいいでしょう。
教科書やプリントなどをいつも同じ場所で管理しておけば、どこに置いたのかわからなくなるようなことは防げます。
子供が準備をするときに意識がそれてしまうならば、子供部屋のおもちゃやゲームなどを1カ所にしまってカバーをかけるなど、視界に入らないように工夫するのも1つの方法です。
情報を管理するためには、忘れてしまいそうな事柄はメモをとる習慣をつけたり、スマホのカレンダーアプリなどを活用して通知が来るようにしておいたりと、子供の性格に合う方法を一緒に見つけていきましょう。
5-3.親からの肯定的な言葉も忘れずに
子供の忘れ物を減らしていくためには、叱るだけではなくてほめてあげることも大切です。
叱られるばかりでは、子供は自信を失い、やる気は削がれて逆効果になってしまいます。
ちょっとした成功であっても、目標を達成したときには肯定的な言葉をかけてあげましょう。
子供が失敗をした場合でも、本人が忘れ物を減らしたいと真剣に考えているならば、年齢に合わせたわかりやすい言葉でサポートしてあげるのが効果的です。
「忘れ物をしないように!」といった否定表現は子供に与える影響が強すぎると感じたならば、「提出するプリントは必ず持っていく」などの肯定表現に変えてみるのはどうでしょうか。
否定表現ではどうしても叱られている印象が強く、精神的に責められているように感じやすいです。
その一方で、肯定表現を多く用いると、子供は心に余裕を持ってポジティブにとらえる傾向があります。
言葉のかけかた1つでも受ける印象は変わるため、子供の様子をしっかりと見てから言葉を選ぶようにしましょう。
6.それぞれの子どもに合わせてサポートをしてあげよう
大人でもしばしば忘れ物をするのですから、子供が忘れ物をしてしまうのは当然とも言えます。
忘れ物が多いならば、親が子供をサポートしてあげて、苦手なものを克服していくことが求められます。
子供の性格や特性、忘れ物の原因などをしっかりと理解して、それぞれの子供に合わせたサポートをしてあげれば忘れ物を改善することは可能です。
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