失敗しない塾の選び方は?小学生の塾選びで気をつけたい5つのポイント
小学生の子どもの同級生が塾に通い出し、「我が家もそろそろ…」と考えている保護者もいるでしょう。
子どもが嫌がることなく、長く楽しんで通える塾に通わせたいですよね。失敗しない塾の選び方はあるのでしょうか。
今回は、小学生の子どもがいる保護者向けに、失敗しない塾選びのポイントをご紹介いたします。
塾選びに悩んでいる方は参考にしてみてください。
1.小学生のうちから塾に通う目的
小学生のうちから塾に通っている子どもは少なくはありません。学研教育総合研究所が2021年8月に実施した調査では、塾に通っている小学生は18.7%でした。小学6年生になると、32.5%にもなります。
参考:学研教育総合研究所
小学6年生だと、およそ3人に1人が塾に通っているという結果です。35人クラスであれば約11人が塾に通っている計算となります。
小学生のうちから塾に通う目的は複数あるので、次で解説していきます。
1-1.中学受験のため
小学生が塾に通う目的として最初にご紹介したいのが中学受験です。近年は子どもひとりにかけるお金が増えてきており、中学受験をする小学生も増加傾向にあります。
首都圏模試センターの調査結果によると、2022年の中学受験率は17.30%と過去最多となりました。
参考:首都圏模試センター
中学受験をする背景はさまざまです。
具体的に次のような理由が考えられるのではないでしょうか。
・より子どもに合う環境で学習させるため
・大学付属の中学に入学させて、高校受験や大学受験の負担を減らすため
・子どもの学力に合った学校で学ばせるため
中学受験で出題される内容は、公立の小学校のカリキュラムを学習しただけでは解けない問題も少なくはありません。
そのため、中学受験を予定している子どもの多くは小学生のうちから学習塾に通うのです。
1-2.学習習慣を身につけるため
小学生のうちから塾に通う目的は、学習習慣を身につけるためでもあります。
子どもに「勉強しなさい!」「宿題はやったの?」と毎日のように声をかけてはいませんか。
なかなか言わないと子どもが勉強をしないこともありますよね。
学習習慣は塾に通わせることで身につきやすくなります。
塾は決まった曜日、決まった時間に授業が始まるため、その時間になれば子どもが嫌でも学習します。
塾に通うことで自然と学習時間が増え、学習習慣も身につきやすくなると言えるでしょう。
自習室が設置されている塾では、子どもが進んで自習することもあり得ます。家ではなかなか勉強をしなくても、塾という自宅とは異なる環境であれば集中して勉強することもあるのです。
他の生徒が自習している様子を見て「自分も自習してみようかな」と思い始め、自習習慣が身につく子もいます。
学習習慣を身につけさせたい方は、子どもを小学生のうちに塾に通わせてみると良いでしょう。
1-3.授業のフォロー
小学校の授業のフォローとして、小学生のうちから塾に通わせる保護者も少なくはありません。
塾は受験に必要なイメージがあるかもしれませんが、進学クラスという受験を目的にしていないクラスもあります。
進学クラスは、学校の授業を先取りして学習することができるため、小学校の学習のフォローになるでしょう。
小学校で習ったことがわからない場合も、塾の講師に質問することができます。小学校の学習内容をしっかりと自分の知識とするためにも、塾に通うと良いのです。
また、小学校高学年になると算数の内容が難しくなります。文章問題、特に「はやさ」の問題でつまずく子どもはたくさん。
小学校の算数が身についていない状態だと、中学で学習する数学の成績にも影響が出るため、小学生のうちから学習しておくと良いでしょう。
1-4.学習モチベーションアップのため
小学生のうちから塾に通う目的は、学習モチベーションアップのためでもあります。
塾に通うことで、同じ小学校の子だけでなく、近隣の小学校に通う子どもと一緒に学習することになります。
勉強している他の子どもを見て、良い刺激を得て、学習モチベーションもアップするでしょう。
学習塾の講師は勉強を教えることのプロと言えます。小学生の子どものやる気を引き出すことに長けているので、小学生のモチベーションもアップするはずです。
最初はやる気がなかったものの、塾に通ったことでやる気を出し始めて家でも勉強するようになった、机に向かう時間が長くなった子どももいます。
2.選ぶときの5つのポイント
ここからは小学生の子どもを持つ保護者向けに、塾を選ぶときの5つのポイントを解説します。
5つのポイントは次の通りです。
・目的に合わせて選ぶ
・子どもの特徴を考慮して選ぶ
・合格実績で選ぶ
・通いやすさで選ぶ
・指導方針で選ぶ
ではこれらのポイントをくわしく見てみましょう。
2-1.目的に合わせて選ぶ
小学生向けの塾は、目的に合わせて選びましょう。
塾は大きく分けて3種類あります。
・中学受験を目的とした塾
・進学を目的とした塾
・受験・進学どちらも目的とした塾
中学受験を目的としている場合は、中学受験対策クラスがある塾がおすすめです。
中学受験専門の塾であれば、講師も中学受験に関する知識が豊富です。
毎年のように中学受験を目的としている小学生が入塾してくるので、対応にも慣れているでしょう。
中学受験はせずに、小学校の授業のフォローや学習習慣の獲得を目的としている場合は、進学クラスがメインの塾がおすすめです。
進学を目的としている塾であれば、地元公立小学校のカリキュラムを把握していて、学校のテキストに合わせた授業をしてもらえることも多いです。
小学校の授業でわからなかったことも質問しやすいので、受験を予定していない小学生であれば、進学メインの塾をおすすめいたします。
受験・進学どちらも目的とした塾もあります。
中学受験をするクラスも、進学するクラスもどちらもある塾です。
地元公立中学に進学予定でも、途中から中学受験に切り替える可能性がある場合は、受験・進学どちらのクラスもある塾が良いでしょう。
2-2.子どもの特徴を考慮して選ぶ
小学生の子どもの塾を選ぶ際は、子どもの特徴も考慮しましょう。
塾の授業形態は次のようなものがあります。
・集団授業
・少人数授業
・個別授業
・オンライン授業
ひとりで黙々と勉強したいタイプの子ども、人見知りしやすい子どもの場合は、集団授業や少人数授業の塾は合わない可能性があります。個別授業やオンライン授業のほうが良いでしょう。
家だとなかなか勉強しない子どもであれば、オンライン授業は不向きかもしれません。
子どもの特徴に合わせて塾の授業形態を選んでください。
また、塾にも特徴があります。自主性を重んじる塾であれば、予習は当たり前になっていて、わからないところのみを塾で解説します。
自主性を重んじるタイプの塾であれば、自宅学習をしない子だと、授業についていけなくなる可能性も。
自主的に勉強するのが苦手な子どもは、講師からのサポートが充実している塾をおすすめします。
塾によっては、厳しく叱って子どものやる気を引き出すところもありますが、叱られることに慣れていない子どもであれば、委縮してしまい通塾を嫌がる可能性もあります。叱る指導ではなく、褒める指導の塾が良いでしょう。
塾選びは子どもの特徴を考え、相性の良い塾を選んでください。
2-3.合格実績で選ぶ
中学受験を考えている場合は、塾の合格実績で選ぶのもおすすめです。
塾の公式サイト、塾の入り口や窓に合格実績が掲載されています。「〇〇中学校 〇名合格」と書かれているので、チェックしてみましょう。
目標としている中学に何人も合格させている塾であれば、その中学に合格するための授業を提供しているという証拠です。受験対策の指導もしっかりと受けられる可能性があるため、志望校がある場合は合格実績はしっかりと見ておいてください。
中学受験に合格したあとも塾に通っている生徒もいるかもしれません。先輩からどんな中学校なのか、受験でどんな勉強をしたのかアドバイスが聞けることもあるので、志望校の合格実績が豊富な塾に通うことをおすすめします。
2-4.通いやすさで選ぶ
通いやすい場所にあることも、塾を選ぶポイントの1つです。
小学生の生活は忙しいと言えます。16時過ぎに小学校から帰宅し、軽食をとってすぐに塾に行くということもあり得ます。
クラブ活動をしていると、すでに疲労していて、通いにくい場所にある塾だと行きたがらないこともあるのです。
通いやすさを考慮して塾を選びましょう。
自宅からの距離、小学校からの距離を意識することをおすすめします。
また、小学生でも塾からの帰宅が遅い時間になることもあります。日が沈んだ時間帯に小学生をひとりで歩かせるのは心配ですよね。送迎をする保護者も少なくはありません。
保護者の送迎のしやすさでも塾を選ぶことをおすすめします。
2-5.指導方針で選ぶ
塾によって指導方針は異なります。
自主性を重んじる塾、テストをたくさん実施して競争させる塾、予習を必須とする塾など、塾によって指導方針はさまざまです。
塾の公式サイトやパンフレットに指導方針が書かれているので、まずは確認してみましょう。
そして、子どもと相性がいい指導方針かどうか検討してから塾を選んでください。
指導方針が合わないと塾を継続しにくくなります。入塾してから後悔することのないよう、事前に指導方針を確認して納得してから塾に入りましょう。
3.塾選びの注意点
塾選びのポイントを5つご紹介しましたが、注意点もあります。入会してから後悔しないように、ここからは塾選びの注意点をご紹介します。
3-1.体験授業や説明会に参加する
塾に入会する前に体験授業や説明会に参加することをおすすめします。
多くの塾では体験授業を実施しています。無料で体験授業を提供している塾もあるので積極的に参加しましょう。
体験授業では次のことをチェックしてください。
・授業のわかりやすさ
・他の子どもとの相性
・講師との相性
・テキストのわかりやすさ
・質問のしやすさ
【授業のわかりやすさ】
塾はお金を払って勉強を教えてもらう場所です。そのため、授業がわかりにくければ通う価値はあまりないと言えます。
授業のスピードが子どもに合っているか、授業内容がよくわかったかなど、体験授業を受けた後に聞いてみてください。
【他の子どもとの相性】
塾は遊びに行く場所ではないため、他の子どもとの相性は関係ないと考える人もいるでしょう。しかし、他の子と相性が悪いことで、子どもが「塾にもう行きたくない!」と言うこともあり得ます。
反対に塾で仲のいい子ができると、塾に通うことが楽しく感じることもあります。通っている子どもとの相性の良さでも塾を選びましょう。
【講師との相性】
講師との相性でも塾を選んでください。講師の言葉づかいが適切か、講師の態度が悪くないかもチェックしましょう。
なんとなく威圧的で苦手、と子どもが感じることもあります。無理に通わせると行き渋りにも繋がるため、講師との相性が悪くないかも確認してください。
【テキストのわかりやすさ】
体験授業の場合は、必ずしもテキストをもらえるわけではありません。必要な箇所のみをコピーして渡されることが多いですが、そのテキスト内容がわかりやすいかも塾選びのポイントです。
説明書きが少ないテキストだと、予習はしにくいかもしれません。カラフルなテキストのほうが見やすく、子どものやる気が出ることもあります。体験授業を受けたら、テキストがわかりやすかったかどうかも子どもに質問してみてください。
【質問のしやすさ】
塾の授業を受けていても、すぐにわからないこともありますよね。質問したくてもしにくい雰囲気の塾もあります。質問しやすい塾のほうが、理解度は上がりやすいです。
「ここまでわかった?」「ここまででなにか質問はない?」と聞いてくれる講師のいる塾がおすすめです。
塾は説明会を開催していることもあるので、積極的に参加してみましょう。
説明会で塾の特徴や指導方針などを説明されるので、子どもとの相性を確認してください。
3-2.塾を比較してみる
小学生向けの塾を選ぶ場合は、複数の塾を比較してみましょう。
地域差もありますが、大きな駅だと駅前に複数の学習塾があることも多いので、可能であれば3つほどの塾を比較してみてください。
複数の塾の体験授業に参加して、子どもに最適な塾を選んでください。
すでに記載したように、塾によって特徴は大きく異なるので、ある程度下調べを行い通わせたい塾をリストアップし、説明会や体験授業を受けて比較してみましょう。
3-3.短時間でも苦手分野に触れる
短時間でも良いので苦手科目の勉強をしましょう。
1日10分勉強するだけでも、1週間で70分勉強したことになります。短い時間でも継続すれば、しっかりと学習したことになるので、短時間でも良いので続けることを意識してください。
電車通学の方であれば、通学時間のみの勉強でもかまいません。歯磨きをしている間に英語の単語帳を開くなど、隙間時間を利用するのもおすすめです。
「この時間は苦手科目を勉強する時間」と自分でルールを作ると、勉強が習慣化できます。
学習時間数が増えると成績にも影響が出るので、少しでも時間数を増やしてみてください。
しかし、短時間でも苦手科目はあまりやりたくない、という方もいますよね。その場合は、学習計画を立ててみましょう。
苦手科目は後回しにしたくなる人が多いと言えます。何度も後回しにしてしまうと、苦手科目を勉強する時間が少なくなることも。
そこで後回し回避のために、学習計画を立てると良いのです。
計画を立てて、そのプラン通りに学習ができれば達成感も得られます。苦手科目でも、達成感が得られることで、学習が楽しくなることもあるでしょう。
また、実際に勉強した時間を時々振り返ってみることも大切です。3時間だった勉強時間が5時間、7時間と少しずつ増えていくことで、自然と自信がつくはずです。自信がつくことで、苦手意識も変わり克服につながります。
4.まとめ
小学生向けの塾は、目的・子どもの特徴・合格実績・通いやすさ・指導方針で選ぶのがおすすめです。
保護者が選ぶことが多いですが、実際に通うのは小学生の子どもです。
子どもの意見も尊重してください。
子どもとの相性はとても重要で、合わないと行き渋ることもあります。
子どもとの相性は、体験授業に参加させて検討しましょう。多くの塾では体験授業が用意されているので、積極的に受けてみてください。
説明会や資料集めも行うこともおすすめします。
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