学校公開では何を見るべき?確認のポイントと参加時の注意点を知ろう!
多くの学校が積極的に「学校公開」というイベントを開催するようになってきました。ただ、学校公開と参観日との違いが分からない保護者も多いでしょう。せっかく参加するのであれば、ポイントを押さえて有意義な体験にしたいところです。この記事では、保護者が学校公開に参加する際のポイントや、守るべき注意点などを解説していきます。
1.学校公開とはいったい何?
そもそも、学校公開という言葉を初めて聞く人もいるのではないでしょうか。まずは、学校公開とは何なのかを解説していきます。
1-1.学校公開の目的は?
公立学校と私立学校では、学校公開の目的が少し異なります。公立の小・中学校などで学校公開が行われるのは、その活動を地域に伝えるためです。公立の学校が運営を続けていくには、地域の協力が欠かせません。そこで、定期的に学校の活動内容を理解してもらえるよう学校公開の機会を設けています。また、小学校で学校公開するのは、次年度以降の入学者が雰囲気になじめる時間を作るためでもあります。
それに対して、私立学校の学校公開目的は教育活動を示すことだといえるでしょう。私立の小・中学校でどのような教育を行っているのかを、受験生や保護者に伝える場となっています。その結果、人々がその私立学校に関心を持ち、受験生がたくさん集まってくれることを目指しているのです。
1-2.参観日との違いは?
大きな違いは、参加者が訪れる時間です。参観日はあくまで、保護者に向けて授業風景を見せるために行われているものです。そのため、特定の1コマにしか、保護者は足を運べません。また、参加できる日時も決まっており、見られる授業もその中から選ばれています。そうした短い時間だけ学校に行っても、子どもたちの素の表情を確認できる保護者は少ないでしょう。一方、学校公開は数日間にわたり、登校時間から下校時間まで開放されていることが多いです。
次に、それぞれの目的も異なります。参観日は、保護者に授業を見てもらうのが目的です。それに対し、学校公開は授業だけでなく、校内での様々な活動も見てもらう機会です。その結果、保護者は学校の活動内容を深く知り、今後の協力や参加、子どもの入学を考えるようになります。授業以外では、文化祭や運動会を公開している学校も多くなっています。
1-3.誰が参加できるの?
基本的には、生徒の保護者を対象として学校公開は企画されます。ただ、これから入学する可能性のある子どもの保護者でも参加できることがあります。また、生徒の保護者ではなくても、学校の周辺地域の住民なら参加できるケースも珍しくありません。さらに、対象に含まれている人であれば、事前予約なしに敷地内へと入れる場合が大半です。当日、校舎にやって来てから受付を済ませるのが一般的な流れになります。
例外的に、受験を控えた学校の公開日では、事前予約制にする場合が多くなっています。なぜなら、こうした学校公開では受験説明会もプログラムに含まれているからです。学校側としては、座席や資料の準備をしなくてはならず、前もって参加者の数を知っておく必要があります。
1-4.参加するのに適したタイミングは?
学校公開は期間中なら、登校時間から下校時間まで、いつでも自由に訪問できます。そうしたことで、かえって参加するタイミングを迷ってしまう人もいるでしょう。また、参観日のように、授業の最初から最後まで見ようと考えていると、ますますタイミングは分からなくなっていきます。学校公開は授業やイベントを終始見守る必要がありません。参加したいときに足を運び、好きなタイミングで帰っても許されるのです。1~2分ほど学校を覗いて、すぐに帰ることも可能です。
家事や仕事が忙しいのであれば、空き時間を見つけて学校に行ってみましょう。短時間だけ子どもを見守って再び帰っていく保護者もたくさんいます。また、期間内で見たい授業、訪問しやすい時間帯を想定しておくことも効果的です。
2.学校公開で見るべきポイントは?
学校公開に参加するのであれば、充実した時間を過ごすための工夫をしましょう。ここからは、学校公開でのチェックポイントを挙げていきます。
2-1.授業時間以外の過ごし方も見る
学校公開において、保護者はつい授業風景ばかり気になってしまいます。なぜなら、子どもが勉強している内容や、授業態度を確かめたいと思ってしまうからです。しかし、授業中の子どもは先生の前なので大人しくしていることも少なくありません。それに、学校公開で見られている状況を子どもたちが意識していれば、態度は普段より真面目になっているでしょう。子どもがいつもどのように過ごしているかを見るには、むしろ、休み時間や移動時間に目を向けましょう。友だちと自由に話せるタイミングでは、子どもの素の表情が出てきます。
そのほか、授業と休み時間のメリハリも押さえておきたいポイントです。もちろん、いずれもうるさく騒いでいるのは望ましくありません。一方で、常に子どもたちが静かな場合も、先生や学校の環境が厳しすぎる可能性があります。休み時間は明るくても、授業にはしっかり集中している状態が理想です。
2-2.子どもだけでなく先生もしっかり見る
学校公開では、先生の様子も重要なポイントです。子どもたちだけでなく、先生にも注目してみましょう。その際、授業内容よりも、子どもとの接し方を見るようにします。子どもが何かをしたとき、注意する態度や言葉を確かめてみれば普段の関係性が浮き上がってきます。感情的になったり、威圧的に子どもを抑え込もうとしたりしている先生には問題がある可能性が高いでしょう。そのほか、先生同士や保護者とのやりとりからも、その先生の人間性を推し測ることができます。
2-3.環境面や設備にも目を向ける
学校を保護者自身の目で見られるのは貴重な機会です。教室の雰囲気や外部からの音など、学習環境をチェックしておくのも重要です。また、設備が十分に足りているのかにも注意しましょう。子どもが勉強に打ち込める学校であることを確認していきましょう。さらに、修繕箇所の有無も探したいところです。教室のガラスがひび割れていたり、床が破損していたりすると、子どもの身に危険が降りかかりかねません。子どもが怪我をする前に修繕することが求められます。
学校公開では、教室以外の空間にも立ち寄れます。中でも、トイレは現状を確かめやすい場所のひとつです。きれいに使われているか、トイレットペーパーや石けんなどの備品が揃っているかを見ていきましょう。そのほか、目にできる設備の状態はよく観察しておきましょう。老朽化していたり、壊れていたりするものを使い続けているようなら学校側に報告し、改善してもらいましょう。
2-4.展示物などの作品も見る
教室や廊下には、子どもたちの作った展示物が飾られています。絵や習字、作文などを気軽に鑑賞することが可能でしょう。また、ロッカーの上に子どもの工作が置かれている場合もあります。これらの展示物には、子どもたちの感性や考え方が表れています。しっかり見ていると、家庭だけでは気づかなかった面が理解できることも珍しくありません。
なお、鑑賞時には他の家の子どもの作品もチェックしましょう。複数の作品に共通している方向性、雰囲気から学校の指導方法が見えてきます。それに、子どもたちがどれほど熱中して授業に取り組んでいるかもうかがい知れるはずです。さらに、学年ごとで作品の雰囲気がどう変わるのかも見極めたい部分です。子どもたちの成長に、校風や教育方針がどのように影響しているかを確認しましょう。
3.進路決定の前にも!興味のある学校の学校公開に参加しよう
子どもの受験前に、興味がある学校をリサーチする際も公開期間を利用しましょう。ここからは、受験する候補先の学校公開に参加する注意点を解説します。
3-1.実施時期は?
中学や高校の受験に向けて行われる学校公開では、基本的に受験説明会などのプログラムが盛り込まれます。こうした学校は年間を通し、何度も活動を公開しています。そのため、明確な時期が決まっているわけではありません。学校ごとにスケジュールは異なるでしょう。学校公開のタイミングは、各校のホームページで発表されます。興味がある学校については、定期的にチェックしておきましょう。そのうえで、学校の雰囲気がよく分かるイベントに合わせるのが賢明です。子どもが授業参加できるオープンスクールのほか、文化祭や運動会などがおすすめです。
可能なら、複数の学校公開に参加して雰囲気を比べてみましょう。そのためには、各校の年間予定を早い段階で把握しておき、保護者のスケジュールを組むことが大事です。
3-2.服装と持ち物は?
現在子どもが通っている小学校、中学校の学校公開に参加するのであれば、清潔感のあるカジュアルなコーディネートにするのが無難です。受験準備で学校公開に行くときも、フォーマルすぎる服装にする必要はありません。学校によっては上履きが必要となる場合もあるので事前に確認しておきましょう。
服装は集まる状況や参加する人に合わせるのが賢明です。公立や私立によっても、参加者の特徴は変わってきます。私立の学校公開であれば、公立よりもスーツ姿は多くなります。また、受験説明会もカジュアルすぎる色やデザインの服は望ましくありません。参加者の中で悪目立ちしないような服装を心がけましょう。また、受験説明会では資料を入れるためのカバンやサブバッグがあると便利です。そのほか、学校公開で運動会や文化祭に参加するなら、保護者も運動できる服や靴を用意しておきましょう。
3-3.見るべきポイントは普段と変わる?
受験準備であっても、押さえるべきポイントは通常の学校公開と大きく変わりません。授業を受けているのが自分の子どもか、初めて見る子どもかという違いくらいでしょう。そのうえで、客観的に授業の進め方、先生の指導能力などを見極めます。他の点でも、通常の学校公開と同じようにチェックしていきます。在校生の態度や話し方に注目すれば、環境の善し悪しを判断できることも珍しくありません。また、トイレや廊下の状況も大切な要素です。校風や生徒の傾向を知るには、展示物や飾られている作品にも注目しましょう。
学校公開を上手に活用しよう
子どもの普段の様子を確かめるには、学校公開がおすすめです。また、学校公開に参加すれば、活動内容に協力しやすくなるのもメリットです。どのように参加すればいいのか分からない場合は、子どもが通う塾に相談してみましょう。保護者にとってのチェックポイントを教えてくれるので、学校公開の目的がはっきりします。